2021年8月10日
8月9日、色々な議論が噴出した東京オリンピックが終幕した。その中では、感動もたくさん感じさせてくれたのだが、まったく別次元での感動が我が家にもあった。全くの個人的な話題ではあるが、最重度の知的障害と強い自閉症のある息子のことだ。現在は入所施設を生活の場としており、隔週末には自宅で過ごすという日課を送っている。先日のこと、私と妻が居間でゆっくりとしていると、息子がコップとお茶の入ったペットボトルを両手に持ち、さも『お茶が飲みたいのでついでくれ』と言わんばかりに近づいてきた。妻と私はお互いに顔を見つめ合って「えっ!お茶を持ってきた!!夢じゃないよね?!」と感動した次第。読んでおられる皆さんは「何が感動なの?」と思われるだろうが、息子は障害ゆえにそのような行動を取ることはなく、時たまコップを持ってくる程度だったので、ペットボトル(2リットル入り)を引っ提げて目の前に現れたときは大きな驚きと感動を覚えた。ある意味で、金メダル以上の感動であった。43歳になる息子、どんなに重い障害があってもその人なりに成長してゆくのだなと改めて感じた。
8月24日からはパラリンピックが始まることになっている。新たなる感動が呼び起こされることだろう。
有田 信二郎