2021年2月12日
東京オリ・パラ大会組織委員会の森氏発言で俎上に上った差別(発言)問題。私たち一人ひとりも自分事として考えねばならないテーマだ。ダイバーシティ(多様性)という言葉が言われ出して久しいが、その受け止め方は人それぞれであろう。障害という分野に長く関わってきた私にとって大きな変化を感じたのは、2006年に国連で採択された障害者権利条約だった。障害者の権利という世界標準ができ、その実現(批准)に向けてわが国でも制度の大幅な改革が進められた。その中で『合理的配慮』という新たな概念も導入され、人々の心の中への定着が図られてきている。これは一朝一夕にできるものではなく、地道なそして弛まぬ努力の先に見えてくる景色なのだと思う。私の中で大事にしていることなのだが、障害者権利条約の理念である『他の者との平等を基礎として』を胸に刻み続けたい。
有田 信二郎