2019年2月1日
ここでの食事で思い出すのが春巻きの大きなもの。中にたくさんの具材が入っており、とてもおいしく、お腹にもずっしりとくる感じであった。その他の食事も問題はなく、東南アジアは日本人にとって住みやすい所だと感じた。
このプロジェクトの遂行で申し訳ないと感じたことがひとつある。セメントプラントは、原料として多量の石灰石(全体の7~8割)を必要とするのだが、その供給元として、近くにある山を切り開くのが一般的な方法である。現地に行ってみると、中国にある桂林のような風景。山の形が正に水墨画にあるこんもりと盛り上がった形であった。「えっ、こんな山を切り崩すの?!」と、ちょっとした自然破壊を行っているような罪悪感に苛まされた。工場を作ると自然や環境に何らかの影響を及ぼすのはどうしようもないが、この風景に手を加え、長い年月の先に姿を消してしまう山々を見ていると、仕事とはいえ、「ちょっとな」と思ったものだ。
この町には、カラオケハウスのようなものもあり、現地赴任中のメンバーたちが楽しんでいた。また、町中も休みの日には散歩やショッピングもできた。ただ、前にも書いた通りフランス語が主流であるので、会話にはちょっと苦労した覚えがある。ある日、丸一日、町中を散策した。ロータリーのような円形の構造物が道路の中心にあるところを起点に、いろいろな店を見て回った。近くにはミュージアムのようなものもあった。ハイフォン市は北部地域の主要都市であるハノイから東に位置する。ちなみに、首都は南部にあるホーチミン(旧サイゴン)で、私が学生時代にあったベトナム戦争関連でよく耳にした名称である。
もう一つ、ある程度の年代の人達にはなじみがある映画"007"シリーズが撮影されたハロン湾がハイフォン市の近くにあった。私たちのプラントは、その風光明媚な景色の一部に手を加えていたことになる。
次はサウジアラビアに行こう ・・・続く
有田 信二郎