2023年12月26日
脚本家の山田太一さんが先月他界され、NHKの「クローズアップ現代」で特集を組んでいた。その中で、「車輪の一歩」という車椅子利用の障害者にスポットを当てた番組が紹介されていた。私はこのドラマを見たことはないのだが、その中で紹介されていた言葉がとても印象に残った。1970年代後半に放送されたものだそうで、当時は「他人に迷惑を掛けない」が暗黙知のようなものだった時代。その中でSOSを発信する難しさ・困難さが巷にあったことは私も経験的に知っている。ドラマでは、主人公が車椅子の男性に向かって「人に迷惑をかけても良いんじゃないか」と諭している場面が紹介されていた。そして最後の場面で、車椅子の少女が大きな階段の前で多少の躊躇はしながらも声を出した「私を助けてください」と。40年以上経過した現在、バリアフリー化が進みはしたものの、ひょっとしてまだ『声を出せない雰囲気』が残っているのではないだろうか。人に迷惑をかける=お互い様=共生社会、人は誰しも苦手や不自由な部分がある。程度の違いのみだと思う。宇部市が共に寄り添い・助け合い・共に生きる地域社会となるよう、来年も頑張って行ければと思っている。
有田 信二郎