2018年11月5日
ゴルフコースだが、軍隊用ということもあるのだろう、とても距離のあるコースであった。
ヤード表示が一般的なゴルフであるが、ここはメートル表示であった。これだけでも1割距離が延びる。しかも、一番長いホールは確か600メートル。とんでもなく長いコースであった。休日は土・日の2日間。朝食の後すぐに出かけ、昼までに18ホールをプレイ。一旦宿舎に戻って昼食と昼寝。14時頃からまたコースに行き1ラウンドという日々。つまり、土日の両日で4ラウンドするという贅沢さ。しかも、金銭面ではとても安い。
コースに到着すると、近隣に住んでいる人たち(ほとんどが女性)が群がってきて、ゴルフバックの奪い合い。彼女たちにとっては、バック持ちのチップが収入源となる。そして、子供たちがボール拾いをしてくれる。このコース、周りに池が点在しており、ボールがその中に落ちる(池ポチャ)。そのボールを拾うために、池の中でスタンバイしているのだ。1回5円程度のお金だったと思う。このボールボーイはスタート時に雇うこともできる。そうすると、ティーショットでちょっと右に逸れ、藪に入ったかなと思っていたボールが、行ってみるとちゃんとフェアウェイにあり、しかも打ち易い状態。「遊びだから、まあ良いか」という楽しいゴルフができる。他にも、傘持ち(日差しが強いので日傘)や椅子持ち(合間合間での休憩用)も雇える。全部雇ってプレイすると、大名行列のような有様となる。日本でプレイすると、1万円から数万円となるプレイ費がここでは1,000円程度でバック持ちやボールボーイが付く。何ともありがたい場所であった。
「どんな言葉で会話しているの?」と思われるだろうから追記しておくと、ほぼタイ語である。仕事上での会話は英語が主であるが、こと仕事から離れれば相手は現地の住民。従って、必然的に現地語であるタイ語を覚えることになる。言葉に関しては、他の赴任国でも同様であったが、特にこの地(タイ)は私にとってとても居心地がよく、タイ語も日常会話ができる程度まで習熟した。後日談だが、ある時、家族を連れてタイに旅行に行った時のこと、土産物を売っている店に入って色々と物色していると、店員がやってきて「これ良いものよ。安くしておくから」と片言の日本語で値段を告げてきた。現地に住んでいた私にとっては、えっ!?というような金額だったので、すかさずタイ語で「高すぎる!もっと安くしてくれないと買わない」と話すと、ハトが豆鉄砲を食らったような目をした後、一気に価格が下がった。タイ語を喋れて良かったと思った瞬間。
・・・続く
有田 信二郎