2023年4月18日
東京ディズニーランドが40周年になるとの報道を見て、昔のことが脳裏に浮かんできた。今年45歳になる障害のある息子を6歳の時に連れて行ったので、ディズニーランドができて1年目の頃に訪れたことになる。その時はまだスペースマウンテンがなく、スモールワールドを家族4人同乗のゴンドラ(?)でゆっくりと見ていた光景が思い浮かぶ。そのような施設が現存するかどうか知らないが・・・。息子を連れて東京に行ったのは、某大学で自閉症に効く薬が開発されたとの話を聞いたからだ。藁にも縋る思いで東京まで行き、大学を訪れてみたが、「この薬は5歳までしかダメ。」との返答であった。なぜ6歳の息子はダメなのかと歯痒い思いをしたことを覚えている。せっかく家族4人で東京まで来たのだからと、ディズニーランドを訪れたのだ。今から思えば、何と無茶な旅行をしたものだと冷汗が出る。息子は、手を離せば帰ってこない。食事も手掴み、排泄もどこででもやる。そんな最重度の知的障害と強度の自閉症がある。宇部空港から飛行機の最後尾に無理を言って席を取らせてもらい、到着までの2時間をひたすら耐えていた。東京の人込みの中、握った手を絶対に離してはいけない、離してしまえば二度と帰ってこない(事故も)。よくぞ連れて行ったものだと思うが、若さゆえできたのだろう。懐かしい思い出である。
有田 信二郎