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会長の部屋

随想録

2017年10月6日

海外生活の思い出(香港とUAEーその1)

1979年、29歳の時に初めて海外に向けて羽田空港を飛び立った。目指すは中継地の香港。
途中に台北に降り立ったが乗客の風貌には大きな変化はなかった。そして、香港到着。ここで一泊したのだが、鮮明に記憶しているのは"人種のるつぼ"という景色。空港に降り立ちロビーに入るや、ありとあらゆる人種の人達が目の中に入ってきた。背の高さ、肌の色、匂い、そして特有のしぐさ、知識としては知っていたが、圧倒されてしまった。入国手続きを済ませて街中に入って行くと、エネルギッシュな人々の体温が伝わってくるようであった。私にとって初めての海外であったので、一人での行動ではなく、プロジェクトマネージャーに連れられての行動である。見るもの触れるものすべてがTVとは違って実際のもの、特に食事に入った飯店で出された料理には、色々な食材に交じって豚の耳も入っており、びっくり。中国数千年の食文化の凄さを実感した時だった。
翌日、最終目的地のアラブ首長国連邦ドバイ空港に向かうため、空港ロビーで休んでいた時、ふと目に入ってきたのが灰皿の清掃員。当時は、煙草はどこでも喫煙可能で、香港の空港内もそこかしこに灰皿が置いてあった。何気なく見ていた清掃員だったが、後から思い出してみるとダウン症の人だった。日本では見ることのなかった風景に、安らぎを感じた記憶が心の中にある。前述のように、多種多様な人々が混在する空港ロビー内で、障がいのある人たちも当たり前に働いている、素晴らしいことだ。
香港までのJALからKLMオランダ航空に乗り換え、ドバイ空港へと飛び立った。

(続く)